新しい打掛のご紹介と、和装のスタイリング
MAGAZINE - 05.08.2022NUMBER 5(ナンバーファイブ)には、ここにしかない、素敵なお着物があります。
先日も新しく、オリジナルでお作りした打掛が入荷したのですが、本当に素敵に仕上がっていて、すごく幸せな気持ちになりました。
京都にある、和装のデザイナーさんのお力を借りながら、
代表の山城とスタイリストのメンバーで、柄や糸の配色から選び、何度もやり取りをしながら完成した、想いのこもったお着物です。
こちらは仕立て前のお写真なのですが、立体的な刺繍や、素材の風合いも雰囲気があり、落ち着いた雰囲気がNUMBER 5らしくてとても気に入っています。
柄は、縁起の良い貝桶の柄。
貝桶とは、江戸時代の貴族のあそびである貝合わせの道具を入れておく入れ物で、貝合わせは、同じ貝殻としかぴったりと合わないことから、夫婦円満の縁起の良い柄とされています。
貝桶自体も、嫁入り道具としてとても大切にされていたものだそうで、美しい絵柄が描かれています。
絢爛豪華な打掛ではありませんし、様々な吉祥紋様を重ね合わせた華やかな柄行ではないのですが、シックで落ち着いた、お洒落な雰囲気を纏っていただけるところが、個人的にもとても気に入っている理由です。
是非、合わせるお小物や髪型、ヘアメイクで、トータルスタイリングを楽しんでいただきたいなと思っています。
和装のスタイリングといえば、
大好きな、わたしのミューズのひとり、マドモアゼルユリアさん。
彼女は和装スタイリストであり、DJ、コラムニストでもあり、ファッションウィークには世界中でスナップされるファッショニスタでもあります。
コケティッシュな雰囲気で、どんなお洋服も着こなすユリアさんが
着物スタイリストも始めると知った時は、また新しいスタイルを見せてくれるんだと思うとワクワクしました。
彼女のInstagramやコラムを愛読しているのですが、
和装の着こなしやトータルスタイリングに、学びと刺激を受けています。
特に素敵だと思うのは、モードさを感じるのに、
昔も、そして何十年後に見てもきっと素敵だと思うような、バランス感です。
現代ぽさを、尖った取り入れ方をするのではなく、
季節やシーンに合わせて柄行や色の組み合わせを考えるという、礼節ある和装ならではの装い方の中に、
小物、ヘアメイクでモードなエッセンスを感じさせるという調和したバランスが、
とても知的で素敵だなと思いました。
彼女の雰囲気から、尖ったスタイリングかと思いきや、
とてもクラシカルさがベースになったバランスに、ハッとしました。
伝統のあるものを、きちんと理解せずに好きに捉えてしまうと
古来から引き継がれた本質的な魅力を表現できないことにもなりかねません。
ユリアさんの着こなしやコラムを拝読していて、
彼女から学ぶ着物の魅力や伝統、意味などを知ると、引き継がれてきた素敵なものの魅力にはそれぞれに込められた理由があるからだと感じますし、
それをきちんと理解した上で、自分らしさをどのようにプラスしていくかと考えることが、親和性のある、魅力的なスタイリングになるんだと気付かされました。
ユリアさんの着こなしの中でいつも楽しみなのが、ヘアスタイルです。
ラヂオ巻きという、昭和初期に流行ったヘアスタイルや、
竹下夢二さんのイラストなど、レトロなイメージソースを形にしているのですが、とてもユニークでかわいいのです!
和装との組み合わせや、お顔立ちとの相性もあると思いますが、
私にはあえてレトロなヘアスタイルを組み合わせるインスピレーションがとても刺激的でした。
花嫁様の和装のスタイリングにも参考になるのではないかなと思っています。
NUMBER 5の和装の撮影では、伝統的な文金高島田の髪型も取り入れていただきました。
ドレスがモダンなスタイリングでしたら、和装は思いっきり伝統的な装いにするのも良いかもしれません。
また、一方で、海外のコレクションなどの、洋装に合わせているヘアスタイルも参考になります。
タイトなヘアスタイルには、かんざしやお花を足して、ボリュームをプラスしても良いかもしれません。
和装を選ぶ際や、ヘアメイクさんとの打ち合わせなどで
是非好きなスタイルを相談してみてください。
イメージソースや好きなものは自由です。
きっとそこに好きなポイントの理由が隠れていると思いますし、
その部分が、あなたらしさだと思っています。
新しく入った和装のご紹介から少し展開してしまいましたが…!
魅力的なものには、やはり理由があります。
私たちNUMBER 5(ナンバーファイブ)のスタイリストも、
取り扱うお衣装のひとつひとつを、本当に素敵だと思うものだけを選んでご紹介していますが、
その情熱があるからこそ、お客様にその魅力を自分の言葉で、
本心でお伝えさせていただけているんだなと思います。
結婚式という特別な機会だからこそ、ドレスも和装も、その日を心から楽しんでいただけるために。
その方らしい、魅力的な装いをご提案できればと思っています。