Alexa Chungが紹介するHaute Couture
MAGAZINE - 15.03.2020英語を勉強したいなと、楽しい勉強の仕方を模索しながら
以前よりファンだったAlexa Chung(アレクサ・チャン)のYoutubeチャンネルを観たのですが、
DiorのHaute Coutureのアトリエ訪問とコレクション当日のバックステージの回が本当に勉強になり面白く、そして感動してしまいました。
まずはオートクチュールコレクションの前の
超多忙なアトリエを訪問し、インタビューしていく回。
TVプレゼンターのアレクサのインタビューも、
チャーミングで面白い。
中は大勢の白衣を着たスタッフとトワルや生地など
おそらくとても広そうな雰囲気。
至る所に集中してトワルや素材と向き合う職人たちと
ボディや反物が。
スタッフには見習いやアシスタントがいて、その上にいる10年以上の熟練のクチュリエが大切な部分を担うそうなのですが、
更に上回る勤続34年、37年、といったレジェンドたちが次々と登場します。
おそらく50歳前後かそれ以上のおばさまたちが、
これはフィッティングから戻ってきて急ぎなんだ、と
夜の11:00まで働き、翌日は7:00出社するくらい忙しい作業を誇らしげにこなしています。
何が楽しい?という質問に、
「全て」
「入社当時から今も変わらず大好き。It’s my life!」
と、楽しそうに答えている姿にも感動しました…!
全て手作業の刺繍や、合計で1200時間以上かかるらしい、レースのステッチワークなどなど…
どれもこれも、信じられないくらい驚きの繊細さと手の混んだ作業で、見ているだけで息が苦しくなるほど…
これは手刺繍に更にフリンジを裾に足している所だそう。
なるほど、これがオートクチュールなんだ…と
ほんの少しだけ理解したような気がしました。
これはチュール素材に、一定のルールでバンドを縫い付けているのですが、
37年勤続の超ベテランの方が、
“最も単純なものは最も難しい!”
The simplest things are the most difficult ones.
と仰っていたのがとても印象的でした。
確かに単純なものほど難しい、というのは理解できます。
ですが、”最も単純なものを、唯一無二で素敵にしてしまうのがDiorなんですよね、きっと…!”
と、心で相槌を打ってしまいました。
そして、
この途中過程のものが、後日のコレクションで素晴らしい作品になってランウェイを歩くのです…!
アトリエの案内の回でとてもときめいたのが、魅力的な色の名前。
アレクサ・チャン自身も、すごく感激しているようでした。
これはラベンダーやパープルではなく、
“Parma”
Parmaとは、かつてスミレの名産地だったことから名付けられた、薄紫色のこと。
こちらも、ピンクベージュなどではなく、
“Dusty pinkeige gold “
こちらは”Golden gold”だそうです!
こちらの手前の生地の色は”Green Cloud”
こちらは”Misty”…!
なんとも魅力的で美しい、素敵なネーミングの数々にときめきました。
最後の”Misty”カラーのドレスは、
”埃っぽい色の素材”に繊細な刺繍を施してラグジュアリーにする、
これぞクチュールとは何かを表す1着”とクチュリエが言っていたのも印象的でした。
そして、ついにオートクチュールコレクションの回へ。
今コレクションはフェミニスト・アーティストのジュディシカゴによって提起された
« What if Women Ruled the World? »
がインスピレーション源だそう。
建物や、入り口の外からランウェイへと続くお花柄のパープルのカーペット、
会場の中に数々吊り下げられた彼女の作品など、インスタレーションもコレクションも全てが合わさって一つの世界観。
以前ラフ・シモンズがデザイナーだった時
壁をお花で覆っていたのも(しかも人海戦術で)驚きましたが
Diorの規模のブランド力やプロジェクトの重要さ、ファッションも超えた社会への影響力を感じずにはいられません。
そして、ショー本番では、アトリエ訪問でまさに素材を作っていた作品たちがランウェイに。
あのかなり労力をかけて仕上げられていた素材の子が
この作品に…!!!と、感動。
一つ前のアトリエ訪問の回の時には
まさに製作途中だったドレスたちでしたが
ランウェイに登場するのを見て、なんだかジーンとしてしまいました。
アトリエ訪問の回から見ていたので、Youtubeを通してですが、感動もひとしおでした。
マリア・グラツィア・キウリは天才です。
こんな大規模のコレクションを、クチュール、プレタポルテと年4回以上もこなすなんて
信じられません…
アレクサ・チャンのチャーミングさやプレゼンターの素晴らしさ、
ファッションも見ていて楽しく、よりファンになったのは言うまでも有りませんが
その時に大切にしたいと思ったデザイナーのインスピレーションや
シーズンやコレクションごとに
ブランドの歴史やポリシーを受け継ぎながら唯一無二のデザインをし、
それを一流のクチュリエたちが最高峰の作品にしていく…
この過程やエネルギーを見て、本当に心を動かされて感動しました。
その背景を知ることが、どれだけその作品への感動を深めるものなのかという実感が有ります。
素晴らしいと言われるものの背景には
やはりそれにかけるだけのエネルギーがあるんだなという納得感も。
NUMBER 5(ナンバー・ファイブ)は全員がスタイリストであり、バイヤーでもあるという、少し珍しいお店です。
直接ブランドから思いやインスピレーション、
アトリエの拘りを聞いた感動や熱量を、バイヤーでもあるスタイリストがそのままお客さまにお伝えできることが
とても大切な部分であるということを感じました。
わたしたちがご案内させていただいているドレスの数々の背景にも
ブランドの熱い思いやエネルギーがあるということを
これからもしっかりと伝えていきたいなと思います。