自分らしさをクリエイトする
MAGAZINE - 21.07.2021自分の年齢よりも随分下のZ世代への興味が止まりません。
きっかけとなったのは、アメリカのバイデン大統領就任式。
二人の、若く輝く女性に目を惹かれずにはいれませんでした。
一人は23歳の詩人、アマンダ・ゴーマン。
就任式で詩を朗読する姿を一目見て、言語や詩の内容を理解できずとも、彼女自身の存在そのものに心を掴まれました。
手をひらひらとさせながらリズミカルに詩を朗読する姿、ここから新しい時代が始まるというタイミングにぴったりな、なんだか異次元の美しさを感じたことと、「声で伝統を作る」、そんな一人なようなインパクトがありました。
そして更にビジュアル的なインパクトがあったのは、彼女が着ていたプラダのイエローのコート、
ビーズをつけて高くまとめたドレッドヘアにインパクトのあるサテンの赤いカチューシャを合わせたスタイルが本当に素敵で、釘付になってしまいました。
小さな頃から文学に無中で、5歳くらいから睡眠を削って短編小説を書いたりしていたそうで、16歳の時には既に、自分は詩人なんだと思っていたそう。
自分の大好きで夢中になれる「詩」という世界で
世界の社会的情勢やとピックを詩に折込み、
自分で使命を感じて発信する。
ラフ・シモンズのプラダというブランドを自身でチョイスして、堂々と詩を披露する。
すごいスターが現れたんだと衝撃的インパクトでした。
もう一人は同じ就任式で参列していた、副大統領の義理の娘のエラ・エムホフ。
アメリカの公的なシーンのスタイルといえば、
明るいカラーが多い印象はあるけれども、シンプルなセットアップや綺麗で控えめなデザインの装い、という印象だったのですが、
チラリと映ったTVの画面に、他の人とは明かに違う、一人目を惹くおしゃれな女性が映り、それがエラ・エムホフでした。
大きな襟に肩にビーズがあしらわれたMIU MIUのチェックのコートに、中に着ていたのはBATTISHEVAのワンピース。
「就任式ってこんなスタイルもいいんだ!
個性が表れているスタイルだけど、シーンにもかけ離れているわけではなくて、カジュアルでもないし…素敵だな」と、衝撃でした。
おしゃれで今時な雰囲気のあるカーリーヘアと、スタイルの良さも相まって、とても可愛くて。
知ったところによると、彼女はパーソンズでファッションを学ぶ学生で、自身でもサスティナブルなニットウェアを販売したりする活動もしているそう。
就任式前日のスタイルもSNSで見たのですが、全身トムフォードで固めていて、そのスタイルも素敵で、ファッション通を体現しているんだと感じました。
個性を引き出しながらも馴染ませるわけではなくて、TPOの中で目を惹くアイテムやブランドをセレクトすること。
言葉を何も発しなくとも、そのセレクトする一つ一つで、存在感やエネルギーはものすごい表現になることに気づかされ、実感しました。
そして、Z世代のこの二人は、自分の大好きなフィールド上で、自身でもアウトプットを怠らずに、社会問題にも責任感を持って選択し、発信もしている。
一つ一つの選択を人任せにせずに、責任を持っているように感じます。
就任式でのファッションに見られるように、「こうあるべきだ」も華麗に自分らしさを素敵に表現することでその壁もひらりと飛び超えている。
私たちNUMBER 5(ナンバー・ファイブ)のポリシー”GOING AGAINST CONVENTION”を、軽やかに地で行くのはこんな人たち。
時代は素敵に移り変わっていっていることを実感し、
グッと年下の二人のファッションリーダーに大きなものを学んだ、大切な気づきでした。
自分らしさを発見し、知り、クリエイトすること。
ウェディングシーンのその大切な装いについても同じことだと思っています。
私たちはこれらのステップを大切にしながら、皆様のスタイリングをお手伝いしています。